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受賞作品

PAST AWARD

2023年 第8回


ゆいごん川柳受賞作品

大賞

我が子なし 母なる地球に 遺贈する

ペンネーム:ヒジキさん/50代/東京都

素晴らしい作品で胸に刺さりました。言葉のセンスがすごいですね。ヒジキさんの思いが凝縮されているようで、あらためて地球に感謝したくなりました。きっと喜んで受け取ってくれるのではないでしょうか。(佐山和弘さん)

大賞にふさわしいスケールの大きな作品です。「母なる地球」という句語が未来志向のメッセージをしっかりと伝えています。「我が子なし」の上五に加えて、下五の「遺贈する」と言い切った「きっぱり感」がすがすがしい。(全日本川柳協会)


入賞

行間に 介護のお礼 にじみ出る

ペンネーム:きつねダンサーさん/50代/大阪府

医療従事者の皆さんに感謝するのは勿論ですが、何と言っても思いやりのある介護を続けてくれる存在が一番です。感謝したくなる介護を受けられて幸せですね。私の心に染みる作品です。(桂ひな太郎さん)

日本人ですねぇ。日本的な一句です。奥ゆかしい人は、言いたいことを内に秘めてしまうことが少なくありません。言いたかったのは「介護のお礼」なんでしょう。その気持ちが「行間に」「にじみ出」たのでした。(全日本川柳協会)


遺言書 一日延ばしで 認知症

ペンネーム:鶴の長命さん/70代/東京都

そうなんですよ!高齢者の殆どが其の内完璧な遺言書を作成する思いがあるのに、他の病気や事故も含めて何もしないで手遅れになっています。改めて楽しく表現していただきました。(桂ひな太郎さん)

「今日出来ることを明日に延ばすな」(米建国の父・ベンジャミンフランクリン)。たしかに仰るとおりですが、私たち庶民はなかなかそのようには参りませんよね。ついつい、「明日でもいいかな」になってしまいます。「一日延ばし」のあげくの「認知症」がペーソス感を醸し出しています。(全日本川柳協会)


A I に 自分で書けと 叱られる

ペンネーム:風まかせさん/60代/群馬県

時流に即し、ウイットにも富んだ素敵な作品ですね。もしかしたらそう遠くないうちにAIが代わりに遺言書を書く時代が来るかもしれません。でも、少なくとも「家族への思い」を書くときだけは自分で考えて書きたいものですね。(佐山和弘さん)

現代的なユーモア句。「自分のことは自分でやりなさい!」とよく叱られましたね。その昔は親から。年を取ったら、わが子から叱られています。でもまさか、AIに叱られるとは思いませんでした。時代ですかねぇ~。(全日本川柳協会)


佳作

遺言は 死ぬ前よりも ボケる前

jumarosaryさん/50代/広島県


遺贈寄付 決めた自分を ちょっと褒め

森みのりさん/60代/神奈川県


幸せを 子孫に分ける 遺言書

章香堂さん/60代/富山県


愛してる 初めて言えた 遺言書

く〜さん/40代/千葉県


ありがとう あなたとだから 生きられた

Maiさん/30代/佐賀県


書き終えて 安心したか 余生延び

江戸川散歩さん/70代/千葉県


特別賞 三井住友信託銀行賞

ゆいごんの 向こうに父の 生真面目さ

ペンネーム:かずちゃんさん/60代/兵庫県

公益事業への遺贈寄付を含んだ遺言だったのではないでしょうか。ご家族への愛に加えて、社会への愛もお持ちだったお父様。そんなお父様のお気持ちをしっかりと引き継いだことが伝わってきます。(理事 本店法人業務第一部長 濵 貴人 様)


特別賞 三菱UFJ信託銀行賞

共に逝く 約束破り 筆を取る

ペンネーム:竜宮の使いさん/70代/兵庫県

何とも言えない切ない情景が思い浮かびます。縁あって人生を共に過ごした夫婦が、相手を心から思いやって自らの死後に伝える言葉を紡ぎ出す、そのような遺言の本質を感じました。(本店法人営業部長 齊藤 允 様)

2022年 第7回


ゆいごん川柳受賞作品

大賞

無効かな 涙で滲む 遺言書

ペンネーム:ドロシーさん/48歳/東京都

心に響く感動の川柳ですね。この遺言書ならたとえ判読できなかったとしても有効にしたいぐらいです。きっとドロシーさんは息子さんとの思い出や現在、そして未来のことにも想いを馳せながら書かれたことと思います。(佐山和弘さん)


入賞

遺言書 借金貯金 二刀流

ペンネーム:カワサンさん/71歳/大阪府

暗い話題の多い中、大谷さんの活躍で救われる気持ちでしたから誰か二刀流を使って欲しかった。お見事です!(桂ひな太郎さん)


ダメもとで 仲良くしろと 書いておく

ペンネーム:千呂太さん/55歳/北海道

生前に面と向かって言われるよりも遺言書を通じて言われた方が心に刺さる場合もあります。遺言書には財産の配分だけでなく、家族へのメッセージ等も書けることをこの川柳が教えてくれたのではないでしょうか。(佐山和弘さん)


遺言書 書いたら見えた したい事

ペンネーム:∠ニモさん/34歳/北海道

言われてみれば行動しないと気付かないことって有りますよね。この作品で自分に足りないものが見えてきました。何を書くのが一番良いかアレコレ考えて結局は何も出来ていない日常を改めます。ブラボー!(桂ひな太郎さん)


佳作

遺言書 あって家族の 福反応

ペンネーム:島根のぽん太さん/54歳/島根県


遺言を 書いて終活 一区切り

ペンネーム:黄昏月さん/81歳/神奈川県


人生に 余韻を残す 遺言書

ペンネーム:きぃこさん/26歳/神奈川県


遺言書 そのうちよりも 今のうち

ペンネーム:蒼介さん/46歳/愛知県


引き際の 社会貢献 遺贈寄付

ペンネーム:すこぴおさん/70歳/新潟県


長々と 書いたらまるで 懺悔録

ペンネーム:天和さん/65歳/群馬県


特別賞 三井住友信託銀行賞

金はナシ お前だけが 遺産だよ

ペンネーム:オカンノさん/44歳/大分県

早く亡くなったお父様が遺されたお言葉。遺言書というと財産がクローズアップされがちですが、本当は「思いを託す」、それこそが生きた証なのですね。深く考えさせられた作品として推薦します。
(理事 本店法人業務第一部長 篠永 正徳 様)


特別賞 三菱UFJ信託銀行賞

遺贈寄付 新たな夢の はじまりに

ペンネーム:ヨシネコさん/44歳/千葉県

公益事業等に対する寄付を遺言に定めることができる点も、遺言が持つ機能として社会的意義が高いものです。未来に託す想いが作品の中で表現されており、終活としてのイメージが強くなりがちな遺言に、新風を吹き込んでくれています。(本店法人営業部長 齊藤 允 様)


特別賞 田村淳(itakoto)賞

子を思う 母のメモあり 小引き出し

ペンネーム:すみれさん/70歳/愛知県

遺言書という形式にとらわれず、メモで思いを遺すというのも愛が感じられていいなと思いました。小引き出しが詠んだ際に語呂が良く、選ばせていただきました。 (田村 淳 様)

2021年 第6回


ゆいごん川柳受賞作品

大賞

思い出に 浸ってペンが よく止まる

ペンネーム:すみれさん 69歳/愛知県

本当にそうですね!!
私もエンディングノートを書き込む時に何度も思いに耽ってしまいました。遺言書をスラスラ書ける人なんて居ませんよ。(桂ひな太郎さん)

ちょっとした片付けものをした時だって、ふと手が止まる。ましてや、人生全般を振り返る瞬間ならばなおさらでしょう。日常的にはよく見られる光景を、作者は上手に切りとられました。(全日本川柳協会)


入賞

遺言を 書いたはいいが どこいった

ペンネーム:ごんぬさん 19歳/岡山県

本当にどこの家にもありそうなこと。遺言書の保管に関する警告としての価値もある作品です。(森永卓郎さん)

初めは私と同年代と思い共感!! ところが19歳の学生さんの作品と分かり(笑)若者よ君もやがては、その時が来る。(桂ひな太郎さん)


訂正印 だらけの父の 遺言書

ペンネーム:永井径さん 56歳/福島県

あれこれと考えて、書いては直し、書いては直しを繰り返す状況が目に浮かぶ秀作。(森永卓郎さん)

自分の気持ちが変わったのか子供達に寄り添うために一生懸命だったのか!! 良いお父さんですね。(桂ひな太郎さん)


あの世とも 出来たらいいね オンライン

ペンネーム:ホタルさん 68歳/自営業

同感!時流に沿う素敵な川柳です。きっとホタルさんは、あの世にオンラインでつながりたい人がいらっしゃるのでは。遺言書でも、書く人と残される人が互いに思いを馳せることでオンラインみたくつながるといいですね。(佐山和弘さん)

オンラインに着目した現代的な川柳ですね。「あの世とも(交信)出来たら、……」という口語調が生きています。(全日本川柳協会)


佳作

AIじゃ 書けない愛の 遺言書

ペンネーム:リンさん 44歳/滋賀県


恋文に 似た感ありき 遺言状

ペンネーム:恋文子さん 52歳/愛知県


遺言書 読めば親父の 声がする

ペンネーム:MSさん 61歳/千葉県


相続の 家族会議も オンライン

ペンネーム:もえぴーの夫さん 60歳/東京都


叙勲無し けれど遺贈に 名を刻む

ペンネーム:松風さん 75歳/東京都


人生の 感謝のしるし 遺贈寄付

ペンネーム:アオキテラヒさん 57歳/埼玉県


総評

情景が目に浮かび、身につまされる作品がとても多かったと思います。抽象的な思考ではなく、生活の中から生まれる作品の共感は、俳句の醍醐味だと思います。それがいかんなく発揮された作品がとてもたくさんあって、悩みましたが、今回入選した作品は、いずれも素晴らしい作品だと思います。(森永卓郎さん)

今年も選考委員泣かせの力作ぞろいで、昨年に引き続き、時流を反映したコロナ関連の作品が寄せられる一方、今回のテーマ「遺言は、愛の言葉」らしく愛情に満ちたハートフルな作品が多いように感じました。また、受賞作品のように自身の実体験をダイレクトに川柳にした作品が多いのも印象的でした。遺言書は必ずしも財産分けのためだけではなく、残される人に対しての想いや気持ちを伝え残すためにも書くものだと思いますが、そのことを今回のゆいごん川柳があらためて教えてくれた気がします。(佐山和弘さん)

今年も沢山の作品で楽しませて頂きました。長いコロナ禍での傑作が多く生まれましたが、入選作の上位は不変の人間模様でしたね!!こんな時だからこそ人間らしさに惹かれました。(桂ひな太郎さん)

「遺言は愛の言葉」のテーマにふさわしい佳句が多く寄せられたと思います。川柳は森羅万象何でも詠むことができる魔法のような文芸ですが、どの句もその川柳の魅力が遺憾なく発揮されていると思います。私自身も「ゆいごん川柳」の選を通じて、改めて人生をポジティブにとらえ直すよい機会になりました。(全日本川柳協会)

2020年 第5回


ゆいごん川柳受賞作品

大賞

介護した 嫁も立派な 相続人

ペンネーム:風信子さん 60歳


入賞

コロナ禍で 遺言までも オンライン

ペンネーム:岳司さん 76歳


書いとけと コロナ背を押す 遺言書

ペンネーム:しんちゃんさん 75歳


遺言は 争族予防 ワクチンだ

ペンネーム:あっちゃんさん 70歳


佳作

きっかけは コロナ・台風・大地震

ペンネーム:ガイアさん 61歳


使い切れ 遺産は世のため 人のため

ペンネーム:ならのしかたろうさん 55歳


20000日 歩んだ妻へ 感謝状

ペンネーム:逆ペリカンさん 38歳


タイトルは 遺言じゃなく 感謝状

ペンネーム:さっぱりさん 76歳


常日頃 口に出さない 文字を書き

ペンネーム:小次郎さん 67歳


特別賞

寄付をした 父の遺影に キスをする

ペンネーム:さごじょうさん 38歳

2019年 第4回


ゆいごん川柳受賞作品

大賞

かあさんを 頼むと父の 強い文字

ペンネーム:もみじさん 58歳 主婦


入賞

遺言で 結び直した 赤い糸

ペンネーム:富クルーズさん 61歳 主婦


相続で 困る田舎の 古い家

ペンネーム:紫苑さん 74歳 無職


今日は書く 明日は書こうと 遺言書

ペンネーム:ツトムさん 73歳 無職


佳作

寄付されて くやしいエライ 父らしい

ペンネーム:いなさくさん 69歳 無職


たかが紙 されど争い なくす紙

ペンネーム:蒼介さん 43歳 会社員


グーグルも 知らない父の 生きた地図

ペンネーム:光虫さん 31歳


書き終えて 妻に赤ペン 入れられる

ペンネーム:さごじょうさん 37歳 公務員


負債額 つぶやくだけで 皆離れ

ペンネーム:いぶしぎんさん 67歳 無職


あれこれと 書いたがつまり ありがとう

ペンネーム:やまともさん 35歳 その他

2018年 第3回


ゆいごん川柳受賞作品

大賞

あわてずに ゆっくり来いと 妻に宛

ペンネーム:茶唄鼓/ちゃかどんさん 65歳 その他


入賞

下書きを 妻に見つかり 書き直す

ペンネーム:本間奏さん 56歳 フリーランス・自営業


遺言の父の癖字が愛おしい

ペンネーム:イナバウアーの白兎さん 67歳 無職


遺言を 書いた私が 生き残り

ペンネーム:伊藤 進さん 78歳 無職


佳作

遺言に 無口な父の こころ知る

ペンネーム:西みなみさん 60歳 主婦


ゆいごんで 初めて知った 親心

ペンネーム:シャイン・マスカットさん 62歳 主婦


五輪見て 万博行って から書くよ

ペンネーム:となみさん 58歳 会社員


遺産分け ケンカするなら 寄付するぞ

ペンネーム:髙木 直子さん 77歳 無職


遺言を 書いて自分の 本音知る

ペンネーム:ひよどりさん 66歳 主婦


少しだけ 我が儘入れて 夢託す

ペンネーム:月日備人さん 65歳 無職

2017年 第2回


ゆいごん川柳受賞作品

大賞

こう書けと 妻に下書き 渡される

ペンネーム:あーさままさん 59歳 無職


入賞

財産は お前たちだと 遺言に

ペンネーム:みかどさん 66歳 無職


遺言に 母のレシピも 書いてあり

ペンネーム:よし得さん 75歳 無職


遺言に 「仲良くあれ」と 書いた父

ペンネーム:浮遊人さん 68歳 無職


佳作

遺言と 書いたつもりが 遺書と書き

ペンネーム:秋菜さん 70歳 無職


遺言で やっとあなたを 理解した

ペンネーム:inahoさん 47歳 無職


それとなく 遺言のこと 親子酒

ペンネーム:笑司さん 71歳 無職


ゆいごんを 聞きたかったよ お父さん

ペンネーム:島根のぽん太さん 49歳 その他


ゆいごんで なりたい人に なる私

ペンネーム:匿名希望さん 59歳 無職


割り切れぬ 円周率と 遺産分け

ペンネーム:まいまいさん 48歳 会社員

2016年 第1回


ゆいごん川柳受賞作品

大賞

ゆいごんは 最後に書ける ラブレター

ペンネーム:さごじょうさん 34歳


入賞

終活へ はじめの一歩 遺言書

ペンネーム:アカエタカさん 65歳


遺言の 文字が長寿で 色あせる

ペンネーム:夏みかんさん 57歳


あっちでも 夫婦になって くれますか

ペンネーム:ハナオさん 44歳


佳作

遺言書 親父らしいと 泣き笑い

ペンネーム:満点パパさん 58歳


遺言は 朝の気分で 書き換える

ペンネーム:良馬さん 63歳


「愛してた」と 遺書に最後の 嘘を書き

ペンネーム:牛美さん 79歳


遺言を 書くと不思議に 長生きし

ペンネーム:Will郎さん 61歳


求めるな 与える人に なりなさい

ペンネーム:タケリオさん 40歳

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